それは「繋がりのカフェ」  〜 はらっぱ祭り「カフェこまち」 〜               (頁作成021219/NASCI)





2001年11月4日、はらっぱ祭りにて / NASCI



はらっぱ祭り出店への回想と記録

「コミュニティカフェ・プロジェクト」の最初の試みがオープンカフェ「カフェこまち」として、はらっぱ祭りに出店できたことは、「小金井まちづくりの会」の活動のメルクマークとなり、大変意義深く、相応しいものであったと感じています。
そしてそれは、私にとっても、大変感慨深いものでありました。このはらっぱ祭りの開催場所、武蔵野公園は私の少年時代から慣れ親しんできた場所でありましたし、地元、小金井のまちを考えるようになってからは、しばしば訪れている場所でありました。このHP掲載の写真の多くはここ、くじら山を中心とした「はらっぱ」や野川を撮影したものですし、何よりHPの名称「カフェこまち」は私のカフェへの思いの反映でもありました。そして今回、皆さんと共に過ごせた「はらっぱ」は、よりいっそう、素晴らしく楽しい思い出の場所として、決して忘れることのない風景となったように思っています。

それは、2002年5月20日朝日新聞の取材を受けたことに始まります。
「コミュニティカフェ・プロジェクト」としてはまち会としての見解もプロジェクトの形も模索段階であることを前提に中村さん、土肥さん、そして私とで取材を受けることになりました。そこではまち会のこれまでの活動の紹介、「コミュニティカフェ」を考えるきっかけと経過等を説明し各人が考えられるカフェ・プロジェクトの可能性などを思い思いにお話しさせていただきました。

そこでお話したコミュニティ・カフェに対する要点は


 「人」と「人」の接点としてのコミュニティ空間を提供するカフェとして

 1.コミュニケーションのあるカフェ
   人と人の繋がりを重んじ社会的コミュニティを意識したカフェとする

 2.情報を発信するカフェ
   イヴェントなど「こと」を起こしネットやムーブメントの拠点たろうとする

 3.地域に根付いたカフェ
   小金井にある様々なキャッチを掘り起こしたり
   地域ならでは繋がりえるネットを活用したカフェとする

 具体的可能性について

 1.計画としての仕組みづくりへの提案参加
   駅前広場活用の一翼として行政や商工会など組織や団体に働きかける

 2.例会を他のグループなどと連携するなどしてカフェイヴェントを行う
   祭りへの参加やレンタルスペースを借りイヴェントを主催する

 3.具体的な業態としてカフェをつくる
   可能性を模索し有志による資金をもちよりカフェ事業を展開する
  
などでありましたが、取材では、やはり具体的な展開や業態に対する考え方などの質問を受け、質問が詳細に及ぶにつれ、確固たるプレゼができない、私たち自身、歯がゆい思いをしたことを三人とも痛く感じたものです。
取材の後、三人で新宿は小田急ミロードの地下、あれはタイレストランだったでしょうか?そこで具体的可能性についてお話をいたしました。そこで私はイヴェント参加が今の段階では最も相応しいのではないかと、「はらっぱ祭り」への参加を提案をしたところ、すぐさま、中村さんの「それ、やろうよ!」という頼もしい言葉が返ってきたことを、今でもはっきり覚えています。



はらっぱ祭り2002年東側店舗ゾーン

その後、紆余曲折を経ながらも参加できた「はらっぱ祭り」ですが、実はその存在は私自身、去年まで知るところではありませんでした。それは私の友人であるミュージシャンが、はらっぱ祭りのステージに立つことになり、誘いを受けて初めて知ったお祭りでした。そのレポートは「はらっぱ祭り」’01に出かけてとしてこのHPでも報告しておりますが、そこで見た祭典はあの懐かしいビートニクな雰囲気と連帯感に包まれて、久々に熱い高揚感を味わい、それは同じくここ、はらっぱにおいて毎年催される「わんぱく夏祭り」と同様に、商業主義によらないボランティア精神と自由で個性的な表現そして倫理観といった強い精神性を感じられるものでした。 そして「こんなお祭りに、いつの日か参加できたらなぁ」と、漠然とした思いを抱いたものでした。



子供を出しに使う大道芸



Aステージでの演奏風景


繋がりをキーワードに

2002年11月2日、今年で16年目を迎えた「はらっぱ祭り」は、心地よい青空のもと、個性的な100を超える出店と70組あまりの出演者で彩られて開催されました。私たちはその一員として、様々な人や物、そして表現と出会い、交流を楽しむことができました。「小金井まちづくりの会」がこのお祭りに参加し、オープンカフェを出店できたことは、今にして思うと、大変、自信になったように思いますし、人の繋がりのありがたさをあらためて実感できた3日間であったように思い出されます。
それにしても、際どくもぎりぎりの可能性の中でようやく浮かんだ船を見つめる進水式の場にいるようでした。きっと、皆さんの協力が、何か一つでも欠けていたならば、このようなかたちは残しえなかったように思えてなりません。もちろん初めての経験で手際の悪さや不十分な計画性など反省点も多々ありましたが、一人一人のもつポテンシャルが、このような特別な場で惜しみなく発揮された故の成果であり、偶然に得た可能性でさえも最大限生か切ることのできたように感じています。そして私自身、久々に清々しい汗と連帯感を感じ満足するものでありました。

私は主にカフェの設営と珈琲を担当いたしましたが、設営担当の立場から設営完成までのレポートを以下ご紹介いたします。



「カフェこまち」設営のデザインコンセプト

・ 「はらっぱ」に馴染む造りとすること
・ なるべく手作りとすること
・ 公園としての開かれた空間を生かすこと
・ スタッフと来訪者がコミュニケーションができるような形態とすること

以上のような基本コンセプトをもって、もちろんお金のかからないように設営にあたりましたが、このようなコンセプト等呈示せずとも、みんなの気持ちは同じ方向を向いていたようでした。



10/27(日)

土肥さん宅、駐車場を作業場とし、天野商店から搬入した板や角材の切断を行いました。

三六判の板はテーブルサイズの910×1,200を4枚
掲示板、同サイズベニヤを3枚
掲示板の脚となる角材については埋め込み部分を三角形に切断したものを8本
そしてテーブルには「すすき」などディスプレイ用植物を据える為の穴をドリルにてランダムに開けるなどの作業を行いました。
一方、中村さんは武蔵野美術大学へ行きワークショップの皆さんと椅子作りをしてきました。皆さん大工仕事で気持ちよい汗を流しました。


11/1(金)出店前日夜

この夜のことを思い出すと、なんとも心地よく、過去りし頃、学園祭の前夜祭に感じたあのわくわくした高揚感がありました。暗闇にみんなでリアカーを引いて、入った「はらっぱ」は霧に包まれ、それはあたかも、ジョバンニが乗った銀河ステーションのある野原のようでした。
設営場所の確認をするため懐中電灯を手に本部にいくと主催者の皆さんは焚き火を囲んで暖をとっていました。ニックネームで呼び合う彼らは、闘争に明け暮れた、かつての「若者たち」のようで、長髪に髭、ジーパンというスタイルが、本当にさまになっています。スーツにネクタイという井手達の土肥さんなどは、注意を受けたようでした^^。私たちは搬入を終えると明日のためにとテントの設営をいたしました。設営は中村さんが河村さんに教えていただいた手法に従って指示を出し、私は客席からステージが眺められるようにと、ステージに対し直角方向になるようにその位置を決めました。


11/2(土)

早朝、設営場所を訪れると、テントは風によって見事に倒壊し、中村さんの設置した傘付きテーブルも割れていました。それを見て感じたのは、落胆などではなく、むしろそうしたハプニングでドラマの中にいるような楽しい気持ちになったものです。
さてテントの張りなおしから、設営開始です。テントは風で倒壊しないように、2箇所新たに角材を打ち込みそれにロープを張りしっかりと固定します。
次にエリアの設定です。掲示板の設置位置を3箇所に分け客席ゾーンを取り囲むように設定しました。その中にテーブルやどんぐりワークショップ(ござ)の位置を決定しました。
次は造作制作に入ります。まずはテーブルです。
なるべく平らな場所を選んで、ビール箱8個を固めて置き、模造紙でくるみ脚をつくります。その上に910×1,200の天板を載せ、次にテーブルディスプレイです。赤い実が可愛い「ピラカンサ」に野川河川敷から採ってきた「すすき」や「コスモス」などをドリルであけた穴や水を入れたフィルムケースに挿してディスプレイをしました。配膳用のカウンターテーブルは高くつくり、脚となるビールケースには杉本さんの簾を巻いて、かたちを整えます。
掲示板はまず設定した場所に角材を杭のように木槌で打ち込み、ベニヤ板を木ネジで留めてから、土肥さんの作成した活動などのプレゼ用紙を貼り付けて完成させました。
その他、メニュー看板の設置やカフェの作業場づくりをして開店に備えました。




入り口横に設置した掲示板


カフェこまち設営の要となった提供資材等

河村さんの
テント提供
まず、河村さんのテント提供の申し入れがなければ、あのようなまとまりを持つ空間にはなりえなかったでしょう。
天野さんによる木資材提供 テーブルの天板となる三六判の板、掲示板作成の為の角材やベニヤ板など安くご提供いただきました。
森田さんの
ビール箱提供
32箱ものビール箱をお貸し頂き、テーブルの脚を支えるなくてはならない重要なツールとなりました
大久保さんによる木槌提供 設営に威力を発揮し本当に助かりました
むさ美ワークショップや土肥さん提供の椅子 武蔵野美術大学 イスのワークショップの皆さんとの連携で手づくりカフェに相応しい椅子を作ることができました。


設営協力の皆さん

杉本、藤村、稲垣、小暮、宮崎、土井、中村、土肥、梅澤、そして児玉さん等他、皆さんご苦労様でした。






手書きのメニュー看板


反省点

・ 作業において必要なツール管理がきちっとできていなかったこと。
  作業の度に探すことが多く、保管場所をきちっと決めておけばよかった。
・  テント内をもう少し、美しく整頓すべきであった。
  (スタッフの荷物や店舗の必要備品等が無造作に散らばりがちであった。)
・ 珈琲ドリップの作業により接客の対話があまりできなかった。
  これについては、当初ドリップカウンターにテーブルを突けることで、
  接客のできるカウンターをと考えていましたが、設置場所が傾斜していること
  やバックヤードが見せ難いこと等から断念しました。しかし次にやるときには、
  ぜひ、ドリップを座りながら見てもらえるようなカウンターを設置したいものです。

その他、反省材料は多々あると思われますが今後これを糧として次の「カフェこまち」に繋げていきたいものです。ね^^/






繋がりのカフェ「カフェこまち」


設営に関するレポートは以上とさせて頂きますが、設営だけでなくソフトやアイデアに関しても、カフェを支えた、なくてはならない様々な協力がありました。

似顔絵描きコーナーの石川さん
どんぐり遊びの土井利彦さん
こだわりの中国茶をお手前といっしょにやろうと提案された稲垣さん
入り口周りを飾った地場野菜を提供いただいた荒畑さんや千本木さん
美味しいお菓子を作ってくれた土肥妙子さん

そして、HP管理をする私として嬉しく思いましたのは、HP「カフェこまち」を見てコミュニティ・カフェに一緒に参加されたいと言って、わざわざ、埼玉や千葉から駆けつけてくれた、学生の皆さんがいたことでした。
地域や世代を超えて繋がる可能性を本当に実感でき、感激したものです。


                 土井さんによるどんぐりマスコット


皆さん本当にありがとうございました




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オープンカフェ「カフェこまち」  〜 皆さんの顔 〜





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