小金井・まちづくり会 6月定例会報告 (土肥英生) |
東小金井駅周辺のまちづくりを考える
日時:2002年6月8日(土)13:30〜17:30
場所:東小金井展示場
・6月定例会は、小金井市政と未来を語る会の宮崎さんに来ていただき、
東小金井駅北口区画整理の現状について話しを伺った後、区画整理事
業の検討のプロセスで話されたことを聞きながら現場を歩き、そして、
会議室に戻って、まちづくりの観点から見た区画整理事業のあり方に
ついて話し合いました。
・以下はその時の話し合いの概要です。
1. 東小金井駅周辺のまちづくりの現在に至る経緯
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■地元の篤志で作られた東小金井駅
・地元の篤志家を中心に請願駅として東小金井駅が作られた(昭和39
年9月10日開業)頃から、区画整理の検討がされてきた。
■30年来の検討課題である東小金井駅周辺の区画整理
・当初の区画整理事業区域のエリアが広すぎたことなどから、結果的に
実現できなかったが、その時点では、一面林地と農地で、区画整理を
する意味もあったし、都市基盤を整備するという区画整理の本来の機
能も十分に発揮できたと思う。
・しかし、宅地化が進み、小規模な分譲住宅が立ち並ぶ現在では、区画
整理を行う意味も大きく変わらざるを得ない。
■中央線高架化と一体的な街づくりの展開へ
・宅地化が進み、戸建て住宅が立ち並ぶ中で区画整理への反対が強く、
区画整理へ強硬に反対する権利者を除外するため当初の区画整理区域
が24haから11haに縮小した上で、区画整理の都市計画決定、事業
計画決定に至り、区画整理区域内に結果的に含まれることとなった小
規模宅地の権利者などが事業を前提にした条件協議に踏み込まざるを
得なくなった。
・小金井市が区画整理を強引に推進した理由には、沿線の街づくりを進
めることが中央線の連続立体交差事業(道路特別会計の補助)の前提
とされていたためである。
・現市長と、現在の区画整理事業の計画変更も含め、協議を行う旨の了
解がとれたことから、地権者11名と学識者(高橋法政大学教授、岸
井日本大学教授)により東小金井駅北口まちづくり協議会を立ちあげ
ることとなった。(小金井市は事務局、(財)東京都新都市建設公社
はオブザーバーとして参加)
(5月27日に第一回の協議会を開催)
2. 東小金井駅北口まちづくり協議会で出た意見
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・高橋会長は、<東小金井駅北口まちづくり協議会における検討事項>
として示されたメモを見て、ここには、検討すべき事項が抜け落ちて
いる、区画整理の技術的な検討を行う前に、0番として東小金井駅北
口まちづくりの将来像の検討があるという指摘をされた。
・これを踏まえ、様々な意見が協議会の中で出された。
・高橋会長は、コンクリートで立ち並ぶ市街地ではなく、個店が栄える
街であって欲しいという意見を述べていた。これは、その時の協議会
の共通の意見として、受け止められたものと考えている。
・駅広を南北一体化する件について市に提案した旨を話しをしたところ、
高橋会長は、JRにその件について話しをしたのか区画整理課長に尋
ね、特段話しをしていないという返事を聞いて、ちゃんと話しをしな
くては駄目ではないかと、指摘していた。
・以下は、市が検討事項案として配付したメモ。
<東小金井駅北口まちづくり協議会における検討事項>
1 区域内公共用地縮小による減歩率の減少について
(1)都市計画道路幅員
(2)駅前広場
(3)区画道路
(4)公園
(5)これらの縮小による減歩率減少へのシミュレーション
2 駅前広場地積縮小に向けてのアイディア
(1)南北駅前広場統合による高架下利用
3 想定換地図について
(1)地権者の不安解消に向けて
(2)CADによる概略シミュレーションの可能性
(3)シミュレーションに向けての条件づくり
4 減歩について
(1)開発受益率に応じた減歩の可能性について
(2)過小宅地減歩緩和について
(3)上記に基づいた傾斜減歩率の設定について
5 まちづくりと駅名の変更
6 その他
(1)移転補償
(2)清算金
(3)区画整理区域に面する高架下の利用
(4)その他問題提起されたもの
3.区画整理事業計画の問題点
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■小規模な宅地を有する地権者には厳しい高減歩
・区画整理区域が縮小したために、減歩率(区画整理では、宅地の一部
を公共用地と保留地(事業資金を作るための土地)に転換するため、
区画整理後の宅地面積が減ることとなる。この面積の減少率のことを
減歩率と言う)が大きくなり、地権者の負担が大きくなった。
■まちづくりとは異なる観点から決まった区画整理区域
・区画整理事業の区域は、反対派を排除するため、その境界が不自然で
あり、(例えば、筆界を分割するような所もある。)区画整理区域内
で整備される6mの区画道路が3.5m程度の道路に繋がるなど、街づ
くりとしても望ましくない形態になっている。
・このため、路地を挟んでほぼ同様の条件の住宅が一方では、減歩を受
け、一方では何の負担もない、という不公平さが生じている。
■分譲住宅の購入者が多額の清算金を払う必要
・また、一部の宅地は区画整理が決まってから、分譲されたため、新築
住宅を購入した人が多額の清算金(土地を減歩する代わりに資金を出
す)を払わなくてはならないケースも出てきている。
4.質 議
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■まちづくりの観点から検討する場が必要
・このような問題点は、本来、東小金井駅周辺のまちづくりの方向を議
論した結果として、区画整理事業を行っていないことから始まってい
る。
・世田谷区の『まちづくりハウス』のような仕組みを作り、本来のまち
づくりを考える場を作るべきではないか。
・本来、このような問題点については、区画整理の権利関係者の間で話
し合った結果を踏まえて、こうしたいという方向を打ち出すべきもの
ではないか。
・協議会には、最大の受益者となる大地主が参加しておらず、その点が
大きな問題である。江戸時代から続く地の方々なので当然のこととし
て地域のことを大切に 思っていると理解しているが、関係者の間で
腹を割ったコミュニケーションが必ずしも十分にとれて来なかった。
機会があれば、そのような話し合いを行いたい。
■建前・理想論ではまちづくりは進まない
・まちづくり条例のような仕組みがあれば、透明な協議プロセスを担保
しつつ、本来のまちづくりのあり方が議論できる。
・理想的に言えば、そうである。しかし、地権者の立場では、時間的な
制約や生活の問題が目前にあり、建前だけでは動かない。
■東小金井駅北口の関係者と南口の関係者の話し合う機会が必要
・駅広の南北一体化を考えるためには、当然、東小金井駅南口の権利関
係者と話しあう場を設け、そこでどう街づくりを進めていくかを協議
することが望ましい。
しかし、実際には、必ずしも、南口の権利関係者はまちづくりに前向
きな気持ちは持っていない。
・このような状況の中で、これまでの区画整理検討プロセスで課せられ
た様々な苦労を、南口の方に求めるのは忍びないという気持ちもある。
・このような矛盾する気持ちを持ちつつも、やはり、南口の方と話し合
う機会を持ちたいと考えている。
■都市計画マスタープランとの整合性のチェックが必要
・都市計画マスタープランでは、梶野通りがメインに幹線として位置付
けられているが、そのような位置付けのない東小金井駅前通りが20
mの幅員になっている。この通りは北通り以北で幅員12mまで狭ま
ってしまい、都市計画的に見てもそのような幅員を持った通りは必要
ないのではないか。このような、都市計画マスタープランとの整合性
についてもチェックを行って行く必要があると思う。
■協議会の活動や合意事項についてのフォローとチェックを
・既に、東小金井駅北口区画整理については、協議会に入る前に懇談会
を8回開催し、区画整理の計画変更も視野に入れた検討を行うことと
なっている。
・しかし、市の担当者などからは事あるごとに既に策定された東小金井
駅北口区画整理事業の計画を遵守するという主旨の発言があり、場合
によっては協議会での計画変更の検討が全て葬り去られる恐れがなし
とは言えない。
・協議会の活動や合意事項についてのフォローとチェックをしていくこ
とが必要と考えている。
■区画整理の進め方も多様になった
・臨海工業地帯では区画整理を導入するにあたって、建物の高度利用を
図るのではなく、ヒューマンスケールの住宅づくりと、コミュニティ
-コミュニケーションが育まれる路地づくりなどを検討している。こ
のように、近年では区画整理も柔軟に行われるようになっており、先
進事例を学ぶことにも意味があるのではないか。
■駅周辺整備についての協議会づくりについて
・グリーンネックレスでは、武蔵小金井駅と東小金井駅の各々について
駅舎デザインを中心に検討する場を設けるよう、小金井市に働きかけ
ており、そのような場づくりを行う旨の話しは出ている。現時点では、
いつ、どのように始まるかは目処がついていないが。
・このような場にも、東小金井駅北口のまちづくりに係る方々に是非参
加して頂きたい。
■まち会としての今後の取組みの進め方
・今回は、現地踏査も含めて、必ずしも十分な議論の時間が持てなかっ
た。また、現在の計画されている区画整理に照らしあわせて何が可能
かの検討をすることも意義があると思う。
・そこで、まち会として、東小金井駅周辺のまちづくりについて、検討
を行い、一方、協議会での検討を持ち寄って、例えば、3ヶ月を目処
に(九月定例会で)再度話しあう機会を持ってはどうか。
・東小金井駅北口の街づくりに関わる個人としては、ありがたい話しと
思う。九月頃までには、どこまで協議会で話しを詰めることができる
かが、見えてくると思うので、その時期に両者で協議を行うことは意
味があると思う。
(以 上)
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小金井・まちづくり会 6月定例会のお知らせ (土肥英生) |
梅雨が明けたかのように、蒸し暑さが感じられる季節となりました。
まち会の皆さんはいかがお過ごしですか。
5月定例会では、三鷹市の角間さんに来ていただき、三鷹市のまちづ
くり条例について、お話しを頂きました。三鷹市環境配慮制度について
は、現場の問題も含めて良く検討されているなと感心する部分が多くあ
りました。その運用について『新まちづくり条例を学ぶつどい』が三鷹
環境市民連の主催で6月21日(金)19:00〜21:00に三鷹市産業プラザ
701号で開催されます。関心ある方は参加されてはどうでしょうか。
さて、6月定例会では、東小金井駅周辺整備について取り上げます。
東小金井駅北の土地区画整理事業については、これまでも紆余曲折があ
りつつも、都市計画決定そして、事業施行に向けて検討が進められてい
ます。5月27日(月)に「東小金井駅北口まちづくり協議会」が発足
し、地元関係者と行政との協議が進められようとしています。
そこで、現在の検討状況について、小金井市政と未来を語る会の宮崎
さんから説明を受けるとともに、実際に、東小金井駅周辺を歩き、東小
金井駅周辺の街づくりの方向性について話し合ってみたいと考えていま
す。今回は、東小金井駅周辺を実際に歩く時間をとるため、開始時間は
13時からとなっています。また、集合場所も東小金井展示場です。
ふるって御参加下さい!!!
・日時:平成14年6月8日(土)13:00〜17:00
・場所:東小金井展示場
東町4-42-1 TEL:042-384-4927
(JR中央線東小金井駅南口下車、ファミリーマートを右に見
て直ぐ右折、歩1分)
*お問い合わせ、参加される方は下記までご連絡ください
(当日飛び入り参加歓迎)
・連絡先:土肥妙子
TEL:042-384-5905、FAX:042-304-2422
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